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シリーズ第2回: 外国投資企業の設立にあたって押さえておきたいポイント 「業務執行者の選任」

  • 執筆者の写真: Badamgarav E.
    Badamgarav E.
  • 8月5日
  • 読了時間: 3分

更新日:8月11日


本シリーズでは、外国投資家がモンゴルで外国投資企業を設立する前に押さえておきたい法的・実務的なポイントをご紹介しています。今回取り上げるのは、外国投資企業の業務執行者 (Executive Director)の選任と、国家登録局への登録手続きです。


外国投資家はモンゴルに常時居住していないことが多く、会社の日常業務に直接関与するのも難しいのが実情です。そのため、モンゴル国籍者を業務執行者として選任するケースが一般的です。国際的なビジネス実務では「ノミニーディレクター」と呼ばれる概念がありますが、モンゴル法にはこれに対応する特別な規定はなく、業務執行者がモンゴル国籍者でなければならないという要件もありません。


国家登録において業務執行者として登録された人物は、会社の法定代理人とみなされます。会社を代表して行動する、契約を締結する、政府機関や第三者と対応する、日常業務を指揮するなど、法律・契約上の完全な権限を持つことになります。


だからこそ、業務執行者の選任は単なる登録手続きとして片付けるべきではありません。選任前に、その役職が実際にどこまでの権限を持ち、どのような法的責任を伴うのかをしっかり理解しておく必要があります。注意したいのは、「業務執行者は株主の指示にのみ従って行動する」といった社内の取り決めがあっても、第三者との関係では業務執行者の代表権を制限する効力を持たないという点です。十分な信頼関係のないまま人選をしてしまうと、投資家の権利や事業上の利益を損なうリスクが生じかねません。投資家がモンゴルに常駐していない場合、このリスクはさらに高まります。


業務執行者という役職には、職務だけでなく特定の法的責任も伴います。法律上、業務執行者は会社の会計記録および財務諸表の正確性について責任を負います。また、会社の権限ある役職者として、自らの過失により会社に生じた損害を賠償する責任のほか、法律に定められたその他の責任も負います。そのため、会社が財務・業務関連の法令に違反した場合、業務執行者は関係当局への説明を求められることがあり、違法な作為・不作為によって会社、株主、その他の関係者に生じた損害について賠償を求められる可能性もあります。


以上のことから、外国投資家の皆様には、業務執行者の選任を単なる登録要件としてではなく、コーポレートガバナンス・統制・リスク管理の観点から慎重に検討すべき重要な意思決定として捉えていただくことをお勧めします。



出典:

[1] 会社法第83条第1項

[2] 民法第65条第1項

[3] 会社法第95条第4項

[4] 会社法第85条第4項

[5] 会社法第85条第2項



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